Musician

Scott Lafaroに迫る。第1章

Bill EvansPaul MotianScott LafaroVillage Vanguardビル・エヴァンス

(画像:Geneva Historical Society引用)

 

私は、ジャムセッションなどにおいて、自分より遥かに熟練したベーシストの方々に出会うと、必ず次の質問を投げかける。

「好きなベーシストは誰ですか?」

単純明快でありながら、一概にこの人とも言いづらいこの質問をすると、多くの人は、「この小僧はなんてチンケな質問をするんだ!」とでも言いたげに窮した顔を浮かべながら、Charles Mingus、Ray Brown、Paul Chambers、Charlie Haden、Percy Heath、Oscar Pettifordといった面々の名前を挙げてくれる。

皆、モダンジャズにおける功労者だ。

しかし同じ質問をした時に、ニューアーク出身のベーシスト、Scott Lafaroの名前を出す方は少ない。
というか会ったことがない。

無論、スコットの名前を知らない人はいないだろう。

初代Bill Evansトリオにおいて、Paul Motianとともに、ジャズトリオの定義を、ピアノのバッキングとしてリズムセクションを配したあり方から、他のメンバーに喰いかかるようなインタープレイよって三位一体のトリオのあり方へと昇華させた人物である。

特にスコットの死の直前、ニューヨークのバー“Village Vanguard”でビル・エヴァンス・トリオによって演奏された音源、”Waltz for Debby”  “Sunday at the Village Vanguard”の2作品は知らない人はいないというくらい有名な作品だろう。(自分は勝手にこの2作品は世界でKind of Blueの次に売れたジャズレコードじゃないかと思っている。ソースはない。)


(撮影:矢吹真吾)

しかし、それでもスコットの演奏はあまり現代のリスナーの心を打たないらしい。

そこで今回は、彼が5年という短いキャリアの中で残してきた音源から、彼のベースの特徴、そして現代のジャズシーンまで通じる普遍的な彼の魅力に迫っていきたい。

(文:矢吹真吾 編集:濱田真秀)