「ジャズ・ヴァイオリン奏者ってどんな人がいるのかわからない」
ヴァイオリンは、クラシックの花形のイメージが強いですが、ポピュラー音楽でも、葉加瀬太郎さんをはじめ、ヴァイオリン奏者の人気の勢いはうなぎのぼりです。
というわけでこんにちは。
Jazz2.0編集部の濱田です。
そんな私が、世界のジャズ・ヴァイオリン奏者の中で、非常に重要なプレイヤーを厳選しました。
ジャズ・ヴァイオリン奏者は人口が少なく、なかなか耳にしませんが、今回紹介するジャズ・ヴァイオリニストを聴けば、間違いないでしょう。
それでは参りましょう!
ステファン・グラッペリ
1908年1月26日フランス パリ生まれ。
1934年にジャンゴ・ラインハルトの“フランス・ホット・クラブ五重奏団”にヴァイオリニストとして加入し、第二次世界大戦前から晩年まで精力的な演奏活動を続けた。
ジャズ・ヴァイオリニストの第一人者として、おおよそ半世紀に渡って第一線で活躍した。
クラシックでも活躍し、ユーディ・メニューインやヨーヨー・マなどの世界的な演奏家との共演も広く知られている。
ディディエ・ロックウッド
1956年2月11日フランス カレー生まれ。
ジャン・リュック・ボンティ「キング・コング」でジャズに開眼し、1970年代にプログレッシブ・ロックとフュージョンのバンドであるマグマで演奏。
電気増幅してさまざまな音を実験的に使用したエレクトリック・ヴァイオリンで広く知られる。
ジャズ・ロック・グループのスルヤを結成し、ピエール・モエルランズ・ゴング、ザオなどでも活動。
ジャン・リュック・ポンティ
1942年9月29日フランス アブランシュ生まれ。
ヨーロッパのジャズ・ヴァイオリニストとしては、ステファン・グラッペリと並び、最も卓越した、かつ影響力の強い人物として知られている。
アトランティックから発表された作品はアメリカで商業的に成功を収め、『秘なる海』と『コズミック・メッセンジャー』はアメリカの総合チャートBillboard 200でトップ40入り果たす。
ジャズ・フュージョンの世界でのジャズ・ヴァイオリニストとして、レジェンド的存在。
ヒカルド・ヘルス
1978年ブラジル サン・パウロ サンパウロ生まれ。
サロン・ミュージック・ショーロや北東部音楽のハベッカを活かし、モダンな新鮮さを吹き込む新世代のジャズ・ヴァイオリニスト。
バンドリン奏者のアミルトン・ヂ・オランダやアコーディオン奏者のドミンギーニョスなどブラジルで最も重要なミュージシャンと多数共演。
ジョー・ヴェヌーティ
1903年9月16日アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 フィラデルフィア生まれ。
ジャズバイオリニストのパイオニア的存在として、第一線で活躍。
幼少期からの友人であるギタリストのエディラングとともに、ジャズでの弦楽器スタイルを開拓し、ストリング・ジャズのパイオニアとして広く知られている。
世界中のジャズフェスへの出演、テレビ出演、多数楽団参加など、その実績はジャズシーンの中でも重要な役割を果たす。
クリスチャン・ハウズ
1972年2月21日アメリカ合衆国 オハイオ州 ロッキー・リバー生まれ。
アダム・バウディヒ
1986年5月18日ポーランド ゴジュフ・ヴィエルコポルスキ生まれ。
13歳でジャズに傾倒、16歳の頃よりプロとしての活動を始め“ジャズヴァイオリンの革新者”として世界にその名を轟かせた。
2012年に権威あるドイツのレーベル、ACT MUSICからデビュー作『Imaginary Room』。ヨーロッパを中心に数多くの一流ミュージシャンとの共演を重ね、同レーベルの看板アーティストのひとりとなっている。
スタッフ・スミス
1909年8月14日アメリカ合衆国 オハイオ州 ポーツマス生まれ。
1926年アルフォンソ・トレント楽団に参加。
1928年ニューヨークに進出し、ジェリー・ロール・モートンと共演。
1934年自己のオーケストラ結成すると、1936年オニックス・クラブでエレクトリック・ヴァイオリンを使用しシーンに衝撃を与える。
1950年代はカリフォルニアに活動の拠点を移し、1957年JATPに参加する。
その後自己のコンボを率いる。代表作は「スタッフ・スミス・ウィズ・ディジー・ガレスピー」。
ジョニー・フリゴ
1916年12月27日アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ生まれ。
1940年代よりヴァイオリニストとして頭角を表す。
終戦後、ニュージャージーに拠点を移す。
1945年から1947年までジミー・ドーシーのバンドとツアーを行い、後にドーシーのギタリスト、ハーブ・エリスとピアニストのルー・カーターとのソフトウィンズトリオを結成。
この間、ビリー・ホリデー、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、ビル・エヴァンスなどが録音した名曲「Detour Ahead」を作曲した。
ビリー・バング
1947年9月20日アメリカ合衆国 アラバマ州 モビール生まれ。
オーネットコールマンやジョンコルトレーンの影響を受け70年代後半のロフトジャズ運動の頃から ジャズシーンでの活動を開始。
Sun Raのバンドに参加するなどした後、ソロでフリージャズ的なアルバムやプエルトリコの音楽など民族音楽の要素も取り入れた独自のジャズを追求。
1990年代以後はよりストレートなバップサウンドに取り組み良作を発表し2000年に入ってからはベトナム戦争従軍の経験を元にベトナム音楽を取り入れた独自なジャズサウンドを追求。
レジーナ・カーター
1966年8月6日アメリカ合衆国 ミシガン州 デトロイト生まれ。
ジャズサックス奏者のジェームズ・カーターの従姉妹。
4歳からヴァイオリンを始め、14歳の時にステファン・グラッペリのライヴでジャズに開眼。1995年にアルバム・デビューを果たし、ジャズ雑誌の人気投票では10年もの間、ヴァイオリン部門の首位を独走。
優雅な音色、卓越したテクニック、圧倒的な表現力で現代ジャズ・ヴァイオリン界を牽引。
ズビグニエフ・ザイフェルト
1946年6月7日ポーランド クラクフ生まれ。
キャリアの初期にはアルト・サックスを演奏し、ジョンコルトレーンの影響を強く受ける。
1970年にトマシュ・スタウコのクインテットに参加すると、ジャズ・バイオリンに専念し、その後独立。
32歳で癌で亡くなるまで、主要なジャズ・バイオリニストの1人として活躍。
クロスオーバー・ヴァイオリニストの第一人者として、ヴァイオリンの可能性を広げた。
リロイ・ジェンキンス
1932年3月11日アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ生まれ。
8才からヴァイオリンを始め、フロリダのA&M大学でヴァイオリンを習得。
1965年からAACMで活躍すると1969年アンソニー・ブラクストン、レオ・スミスと渡欧し、パリでスティーブ・マッコールと「クリエイティブ・コンストラクション・カンパニー」を結成。
その後シカゴに戻りセシル・テイラー、ブラクストン、アルバート・アイラー等と共演。’71年「レボリューショナリー・アンサンブル」を結成し、フリー・ジャズのシーンのヴァイオリニストとしてパイオニア的存在に。
寺井尚子
1967年5月1日神奈川県生まれ。
第1 回「東京JAZZ 2002」に参加。ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、マイケル・ブレッカーらと共演。
2004年スイングジャーナル誌読者人気投票において、「JAZZMAN OF THE YEAR」、「ALBUM OF THE YEAR」、
「MISC.INSTRUMENTS(その他の楽器)」の 3 部門を獲得。名実共にジャズ界のトップ・アーティストに。
2010 年 文化庁「芸術選奨 文部科学大臣新人賞(大衆芸能部門)」を受賞。
まとめ
いかがだったでしょうか。
これを機にジャズ・ヴァイオリン奏者に興味を持っていただける方が増えたら嬉しいです。
それではまたお会いしましょう!
Jazz2.0編集部の濱田でした。