【ジャズスタンダード】よく演奏されるジャズの定番曲20選

ジャズスタンダードとは、ジャズでよく演奏される曲のことです。

というわけでこんにちは。
Jazz2.0編集部の濱田です。

濱田
自分はジャズトランペット奏者として活動していて、定期的にジャズスタンダードを演奏します。

今回は、ジャズでよく演奏されるジャズスタンダードをご紹介できればと思います。

ちなみに、ジャズスタンダードがまとまった『ジャズ・スタンダード・バイブル』という本があります。

このセッション本は、"黒本"と呼ばれ、多くのミュージシャンがジャズのセッションをする上で重宝しています。

もし興味があったら調べてみてください。

それでは参りましょう。

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定番曲20選

  1. All of Me
  2. Autumn Leaves
  3. Billie’s Bounce
  4. Blue Bossa
  5. But Not For Me
  6. Bye Bye Blackbird
  7. Candy
  8. Days Of Wine And Roses
  9. Fly Me To The Moon
  10. I’ll Close My Eyes
  11. It Could Happen To You
  12. Just Friends
  13. Now’s the Time
  14. Satin Doll
  15. On Green Dolphin Street
  16. On the Sunny Side of the Street
  17. Softly, as in a Morning Sunrise
  18. St. Thomas
  19. Take The “A” Train
  20. There Will Never Be Another You

(アルファベット順)

選ぶのにかなり時間がかかりましたが、この20曲は、全国どこのジャズセッションのお店に行ってもよく演奏されています。

お店によって、集まってくるミュージシャンの好みなどがありますので、このリストに載ってない曲でよく演奏される曲も多いと思います。

しかし、この20曲を知っているだけでもジャズを楽しむことができると思います。

それでは一曲ずつ解説していきたいと思います。

All of Me

「All of Me」は、インスト(楽器だけ)でもよく演奏されますが、ボーカリストが入ったセッションでもよく演奏されます。

1932年に、ポール・ホワイトマンとルイ・アームストロングによるレコードで大ヒットし、ビリー・ホリデイ、ベニー・グッドマン、、カウント・ベイシー・オーケストラ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、フランク・シナトラなど、多くのミュージシャンによってカバーされました。

Autumn Leaves(枯葉)

ジャズで最も演奏される曲の中のひとつが、「Autumn Leaves(以下、枯葉)」です。

ミュージシャンによって、曲の始まり方が特徴的で、キャノンボール・アダレーの『Somethin’ Else』というアルバムに収録されたテイクのイントロで始まる場合もあれば、曲の後ろの8小節をイントロに採用する場合もあれば、イントロを演奏せずに、いきなりテーマから演奏する場合もあります。

Billie’s Bounce

「ジャズブルースって何から聴けば良いのかわからない」

という方へうってつけなのがジャズブルースと呼ばれるこの曲、「Billie’s Bounce」と、後半に出てくる「Now’s the Time」です。

ブルースは12小節のテーマを2回繰り返すのも特徴的です。

Blue Bossa

トランぺッターのケニー・ドーハムの作曲によるボサノバの曲です。
他の曲とは、リズム感が異なるのが感じられるかと思います。

この曲はジョー・ヘンダーソンのデビューアルバム『ページ・ワン』にて収録され、発表されました。

But Not For Me

「But Not For Me」は、数多くのミュージシャンが録音を残している曲で、YouTubeなどで検索しても多くの動画が出てくるかと思います。

コード進行に「ⅡーⅤ」と呼ばれる、ジャズスタンダードの王道進行が多く含まれており、メロディーも美しく、多くのミュージシャンに親しまれています。

Bye Bye Blackbird

「Bye Bye Blackbird」は、ディクソン、ヘンダーソンのコンビが、1926年にジーン・オースティンのレコーディングのために作られた曲です。

ジャズで注目されるようになったきっかけは、マイルス・デイヴィスの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』への収録で、その後、多くのミュージシャンがカヴァーしました。

Candy

リー・モーガンが19歳にして手掛けたリーダーアルバムの演奏が、広く知られています。

19歳とは思えない演奏で、これを聴くと思わずトランペットを吹いてみたいと思うかもしれません。

Days Of Wine And Roses

「Days Of Wine And Roses」は邦題で「酒とバラの日々」と訳されることから、「酒バラ」の愛称で、ジャムセッションで親しまれています。

原曲は、1962年公開の映画「酒とバラの日々」のテーマ曲で、バラードで演奏していますが、セッションでは主にスウィングのリズムで演奏します。

オスカーピーターソンのアルバム『We Got Requests』に収録されている「酒バラ」が最も有名なテイクになります。

Fly Me To The Moon

ジャズをあまり知らない方でも、一度は耳にした方も多いのではないでしょか。

日本ではCMなどでも、よく使用されている楽曲でもある「Fly Me To The Moon」は、もともと「In other words」というタイトルの3拍子の曲です。

これをジョー・ハーネルという編曲家が4拍子のボサノヴァにアレンジ。

それをフランク・シナトラがカヴァーしたことで有名になりました。

I’ll Close My Eyes

イギリスの作曲家、ビリー・リードが1945年に書いた曲です。
原曲はインストでしたが、歌詞がついたヴァージョンで、1947年にミュージカル映画「Sarge Goes to College」で使用されたアレンジがヒットし広く知られるようになりました。

ジャズの世界で一躍有名になったのは、ブルー・ミッチェルのテイクで、「I’ll Close My Eyesと言えばこのテイク」といったくらい有名です。

It Could Happen To You

「It Could Happen To You」は、ジミー・ヴァン・ヒューゼンが作曲したジャズの名曲です。

この曲は、数多くのミュージシャンが名演を残しており、これからソロをコピーしたいといった方には参考になる演奏が数多くあるのでおすすめです。

Just Friends

「Just Friends」は、1932年に歌手ラス・コロンボという人が歌ってヒットした曲で、チャーリー・パーカーやチェット・ベイカーをはじめ、多くのミュージシャンがカヴァーした曲になります。

原曲は、ゆっくりとしたバラードっぽい歌ですが、ジャズセッションではややアップテンポで演奏される事が多いです。

Now’s the Time

「Now’s the Time」は、チャリー・パーカーが1957年にリリースした名作です。

Billie’s Bounceとキーも小節も同じなので、初めて聴いた方は混合するかと思います。

「Billie’s Bounce」「Now’s the Time」以外にも、ジャズブルースは数多くあり、この他よく演奏される曲は、「Bag's Groove」「Au Privave」「Straight, No Chaser」などがあげられます。

Oleo

「Oleo」はセッションでは「循環」と言われ、ミュージシャンからも親しまれているスタンダードです。

ソニー・ロリンズというサックス奏者によって作曲されました。

On Green Dolphin Street

1947年公開の「Green Dolphin Street(邦題:大地は怒る)」のテーマ曲です。

映画は、「美人姉妹の妹と結婚する予定が、間違って姉に送った手紙により姉と結ばれてしまった男の夫婦生活」というストーリーです。

後に様々なジャズ・ミュージシャンによって演奏され、ジャズのスタンダードナンバー曲として親しまれるようになりました。

On the Sunny Side of the Street

「On the Sunny Side of the Street」は、ブロードウェイミュージカル」Lew Leslie's International Revue」で紹介された後、ジャズのスタンダードナンバーとなった曲です。

テッド・ルイス (Ted Lewis)、デイヴ・ブルーベック、アール・ハインズ (Earl Hines)、ルイ・アームストロング、ベニー・グッドマン、ライオネル・ハンプトン、エロル・ガーナー、ディジー・ガレスピー、アート・テイタム、カウント・ベイシーといった多くのミュージシャンがカバーしており、ジャズミュージシャンによって、頻繁に演奏される曲です。

Softly, as in a Morning Sunrise

「Softly,as in a morning sunrise(邦題:朝日のようにさわやかに)」はジャズのセッションでよく演奏される曲の一つで、ミュージシャンの間では、「Softly 」と省略された名前で呼ばれています。

St. Thomas

「St. Thomas」は、サックス奏者、ソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』によって、ジャズの世界で親しまれるスタンダードナンバーとなりました。

セッションでもたびたび演奏される曲で、カリビアンのリズムでスタートして、途中ドラムソロを挟んで4ビートに変わり、最後のテーマは、またカリビアンに戻って終わります。

テーマも短く、初心者におすすめの一曲です。

Take The “A” Train

「Take the 'A' Train」 (A列車で行こう)」 は、1939年にデューク・エリントン楽団のピアニスト、ビリー・ストレイホーンによって作られた作品で、1941年2月15日にエリントン楽団の演奏でレコードが発売され大ヒットしたジャズの名曲です。

ビッグバンドや吹奏楽をはじめ幅広く演奏されているので、知っている方も多いのではないでしょうか。

There Will Never Be Another You

この曲は、1942年のミュージカル映画「アイスランド」の曲で、ハリー・ウォーレンが作曲した曲です。

1950年に発表されたヴィブラフォン奏者、ライオネル・ハンプトンの録音から、チェットベイカー、ソニースッティト、レスターヤング、アートテイタム、ナットキングコール等、多くのミュージシャンによってカバーされました。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このように、多くのジャズミュージシャンによってカバーされている曲をジャズスタンダードと呼びます。

同じ曲で、様々なミュージシャンの演奏を聴き比べることができるのも、ジャズの魅力の一つです。
様々なミュージシャンの演奏を聴き比べると、そのミュージシャンの個性を知ることができて面白くなってきます。

もしこれからジャズを楽しんでみたいという方はぜひ参考にしてみてくださいね。

それではまたお会いしましょう。

Jazz2.0編集部でした。

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