ビバップってなに?誕生背景や代表的アーティスト、派生ジャンル

みなさんは、「ビバップ」という言葉を聞いたことはありますか?

ビバップというのは、1940年代に誕生した自由な即興演奏が特徴のジャズのスタイルです。
ビバップ期のミュージシャンや楽曲には優れたものが多く、現在のジャズのジャムセッションでもビバップの曲が演奏されることがとても多いです。

とりわけ、サックス奏者チャーリー・パーカーは、ビバップスタイルのジャズを確立したとして「ビバップの父」と呼ばれています。

番場海史
というわけで、こんにちは!
jazz2.0編集部の番場です。
ビバップスタイルは、ジャズの基本中の基本です。
現在のジャズ・ミュージシャンは必ずと言っていいほど、通ってきたスタイルだと思います。
また、ビバップの誕生によってジャズが娯楽音楽から芸術音楽の分野へ踏み込んだとされています。

今回は、「ビバップってなに?」というところから、ビバップの誕生した背景や、代表的なアーティスト派生ジャンルまで、わかりやすく解説していきたいと思います。

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ビバップってなに?

ビバップ (bebop) は、1940年代に成立したとされる、ジャズの一形態。スウィング・ジャズの終焉後に発生したモダン・ジャズの起源は、このジャズ様式にあるというのが、一般的な見解である。仮名表記によって、ビー・バップ、ビ・バップなどとも記される。

Wikipediaより引用

ビバップとは、1940年代に誕生したジャズの形態の一種です。

ビバップの大きな特徴は、
・自由度の高いアドリブ・ソロ(即興演奏)
・少人数編成

・コード進行に基づく演奏
です。

ビバップ以前は、スウィング・ジャズという形態が主流で、大人数編成で楽しく踊れるジャズが人気でした。

そのような古典的ジャズに対し、少人数編成でアドリブ・ソロ(即興演奏)を重視するビバップ以降のスタイルはモダン・ジャズと呼ばれます。
モダン・ジャズは、ダンスのため、娯楽のための音楽ではなく、芸術のための音楽という側面が強く表れています。

番場海史
ビバップは、カフェなどで流れている’いわゆる’ジャズ、
スウィング・ジャズは、ディズニーのビッグバンドビートや吹奏楽で演奏されるジャズ
というように想像するとわかりやすいかと思います。

ビバップの誕生背景

スウィング・ジャズ

ビバップスタイルのジャズが誕生する以前は、スウィング・ジャズという形態のジャズが主流でした。
スウィング・ジャズは、娯楽性の強い大衆のための音楽で、聴くひとが楽しく踊るために演奏されました。

楽団は大衆を楽しませるために人気曲を何度も繰り返し演奏します。
演奏しているミュージシャンは当然、同じ曲を何度も何度も繰り返し演奏しているため、演奏に飽きてきます。
スウィング・ジャズの演奏に飽きたミュージシャンは、ステージが終わった後に何人かで集まって自分たちが楽しむためのセッションをはじめました。
これがビバップのもとになったと言われています。

しかし、高度なテクニックを使った複雑なアドリブ・ソロや、ものすごく速いテンポはダンスには合わず、当初は全く人気がありませんでした。

番場海史
当時のミュージシャンもビバップ(の原型)が大衆向けでないことはわかっていたようです。当時のビバップを好んで演奏していたミュージシャンは自分自身のことを「エンターテイナー」ではなく「アーティスト」だと位置付けていたそうです。

ビバップの台頭

ビバップスタイルのジャズが主流になったのは、第二次世界大戦が始まってからでした。

第二次世界大戦が始まってすぐの頃は、国民を元気づけるダンスミュージックとして、また軍隊の士気を高めるための慰問としてスウィング・ジャズがさらなる人気を得ました。

しかし、戦争が長引くにつれて経済的な不況が深刻化して、ツアーや移動などにお金のかかるビッグバンドは徐々に敬遠されるようになりました。
そのような状況に追い討ちをかけるように、米ミュージシャン協会のストライキとレコードの原料不足が相まって、1942年〜44年にかけてレコーディング禁止令が敷かれました。

こうしてスウィング・ジャズが衰退し、レコーディング禁止令が解かれる頃にはビバップスタイルのジャズの影響力が増していました。

ビバップの影響力が増した理由

レコーディング禁止令の後にビバップの影響力が増した背景には、小さなレコーディング会社が次々に設立されたことと、LPレコードが開発されたことがありました。

レコーディング禁止令は、もともと著作権料の増額を求めて始まったものだったため、標的は大手のレコーディング会社でした。
そのため、ジャズ好きの小さなレコーディング会社によって、当時マイナーだったビバップスタイルのジャズがレコーディングされるようになったのです。

また、1948年には、LPレコードが発明されました。
LPレコードは、従来のレコードよりも長時間の録音を可能にしたため、長いアドリブ・ソロを含んだビバップスタイルのジャズが収録できるようになりました。

ビバップの黄金時代

このようにして、ビバップスタイルは主流となっていきました。
1950年代は、大手レコード会社もビバップスタイルに参入するようになり、「ビバップの黄金時代」と呼ばれるようになります。

ビバップ以降のクール・ジャズハード・バップモード・ジャズなどのジャズの形態をまとめてモダン・ジャズといいます。
モダンジャズは、「芸術性を求めるジャズである」という点で、古典的なジャズとは根本的に異なります。

ビバップの名前の由来

ビバップ(Be-bop)の名前の由来は諸説ありますが、スキャットで使われる音という説が有力なようです。

スキャットというのは、ヴィーカルが「シャバドゥビ」などのようにメロディに意味のない歌詞をつけて歌うことをいいます。
スキャットでよく使われたフレーズ「ビバップ」から名付けられたとされています。

スキャットが誕生した逸話の記事を読む→

ビバップの代表的なアーティスト

チャーリー・パーカー

チャーリー・パーカーは、ビバップの誕生に大きな影響を与えたことから「ビバップの父」と呼ばれるサックス奏者です。

レコーディング禁止法が解除された直後、サヴォイレコードからリリースしたレコーディングセッションが有名で、「Now’s The Time」や「Billie’s Bounce」といったビバップを代表する名曲が生み出されました。

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ディジー・ガレスピー

ディジー・ガレスピーは、チャーリー・パーカーとともにビバップ の創始に大きく貢献したとされるトランペット奏者です。

レコーディング禁止法が解除された1945年に録音されたチャーリー・パーカーとのセッションは評価が高く、「A Night in Tunisia」「Salt Peanuts」「Be Bop」「Anthropology」などの名曲を生み出しています。

ビバップから派生したジャズ

クール・ジャズ

クール・ジャズは、「ビバップの黄金時代」と呼ばれた1940年代後半に生まれたジャンルで、落ち着いていてメロディアスな演奏が特徴です。

クール・ジャズは、激しくて速いテクニカルなアドリブ・ソロ(即興演奏)を特徴とするビバップへの反動で生まれたと言われています。
しばしば、ビバップは黒人のジャズ、クール・ジャズは白人のジャズというように言われることもあったようです。

マイルス・デイヴィスのアルバム「Birth of the Cool(クールの誕生)」がクール・ジャズの起源とされています。

代表的なアーティストとしては、スタン・ゲッツ、ウッディ・ハーマン、チェット・ベイカーなどが挙げられます。

ハード・バップ

ハード・バップは、1950年代後半に確立された、ビバップより洗練されたメロディアスで聴きやすい演奏が特徴です。

1950年代、ビバップのアドリブ・ソロ(即興演奏)がどんどんテクニカルで難解でわかりづらいものになっていたことに対する反発で、ハード・バップが生まれました。
基本的にはビバップのスタイルを踏襲しているため、芸術性と大衆性のバランスがとれていて、多くのファンに愛されている形態です。

代表的なアーティストとしては、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ホレス・シルヴァー、マックス・ローチ、アート・ブレイキー、チャールズ・ミンガス、クリフォード・ブラウン、リー・モーガン、ソニー・ロリンズ、トミー・フラナガンなどが挙げられます。

モード・ジャズ

モード・ジャズは、1959年にリリースされたマイルス・デイヴィスのアルバム「Kind of Blue」から始まったジャズのスタイルです。

コード進行に基づいてアドリブ・ソロ(即興演奏)をしていたビバップに対して、モード・ジャズでは、モード(旋法)に基づいて演奏されることが最大の特徴です。
モードという概念が生まれたことにより、コード進行にしばられない、より自由な表現ができるようになりました。

代表的なアーティストとしては、マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーンなどが挙げられます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

ビバップを代表するアーティスト、チャーリー・パーカーの紹介記事も合わせてご覧いただけると、ビバップに対してより具体的なイメージがつくかと思います。