「ジャズ・ギタリストってどんな人がいるのかわからない」
僕もジャズを聴き始めたときはそんな感じでした。
なぜなら、同じジャズというジャンルの中では、トランペットやサックス、ピアノといった楽器のプレイヤーが注目される傾向があり、ギターはスポットライトがなかなか当たりづらい傾向があるからです。
というわけでこんにちは。
Jazz2.0編集部の濱田です。
そして、ジャズ・ギターの魅力はなんといっても、メロディーを奏でるだけでなく、伴奏を担当して他の楽器の魅力を引き立てたりと、二刀流として活躍することができるところです。
こうした中でも、これからジャズ・ギタリストを聴きたいあなたへ特に押さえておきたいギタリストを紹介します。
それでは参りましょう!
ジョー・パス
1929年1月13日アメリカ合衆国 ニュー・ジャージー州 ニューブランズウィック生まれ。
巧みなコード進行を使いながらメロディ・ラインが表現出来る創造力に富む類い稀なスタイルを確立。
卓越した超絶技巧を誇り、ジャズ・ギターの名手として多くのオールスター・セッションに起用されるなど、他のギタリストにも大きな影響を与える。
エラ・フィッツジェラルドやオスカー・ピーターソンとの演奏が有名である。
グラント・グリーン
1935年6月6日アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス生まれ。
ジャズの王道とも言えるビバップからモードジャズ、ジャズファンクまで、様々なジャンルを弾きこなし、1960年代のブルーノート・レコードを代表するギタリストとして広く知られている。
コードを引いたり、メロディーを刻んだりすることはほとんどせず、シングルノート(単音)を中心にメロディーを奏で、管楽器奏者のようなプレイスタイルが特徴的。
ラリー・カールトン
1948年3月2日アメリカ合衆国カリフォルニア州トーランス生まれ。
ジョン・コルトレーンの影響からジャズを演奏しはじめ、スリム・エドワーズやジョー・パスに師事した。
ソロ活動に加え、クルセイダーズやフォープレイに参加し、グラミー賞を何度も受賞している。
パット・メセニー
1954年8月12日アメリカ合衆国ミズーリ州生まれ。
13歳で独学でギターを始め、18歳のときにバークリー音楽大学の講師をつとめる。
ピックの持ち方からフレージングに至るまで、その全てが独創的であり、その奇抜な個性が魅力。
ミルトン・ナシメントやロー・ボルジェス、トニーニョ・オルタ等のブラジル音楽の影響を強く受けている。
ウェス・モンゴメリー
1923年3月6日アメリカ合衆国インディアナ州生まれ。
20歳から独学でギターをはじめ、ライオネル・ハンプトン楽団やライブハウスでの演奏で腕を磨き、キャリアを積み上げる。
親指によるピッキング、和音を駆使したフレージング、オクターヴ奏法等、そのユニークな演奏スタイルは、ジャズ・ギターの表現力を拡張させ、後世のジャズ・ギタリストに大きな影響を与えた。
心臓発作が原因で45歳でこの世をさってしまう。
ジム・ホール
1930年12月4日アメリカ合衆国ニューヨーク州生まれ。
1955年よりチコ・ハミルトン楽団で活動後、ソニー・ロリンズ、アート・ファーマー、ビル・エヴァンスなど、多くの著名なアーティストと共演している。
温かくメロウなサウンド、そして静かで美しい演奏は、リスナーを自身の世界観に引きこませるほど魅力的で、数多くのミュージシャンに影響を与えた。
ジョン・スコフィールド
1951年12月26日アメリカ合衆国オハイオ州生まれ。
バークリー音楽大学出身で、ゲイリー・バートン、チャールズ・ミンガス、ディヴ・リーブマン、マイルス・デイヴィスのグループなどでキャリアを残す。
その渋い音色とブルース調のストリング・プル、アウトと呼ばれるわざと音を外すスタイルが特徴的で、グラミー賞を2度受賞するなどシーンに大きな影響を与えた。
マイク・スターン
1953年1月10日生まれ。
バークリー音楽大学出身で、ミック・グッドリック、ゲイリー・バートンらに師事、パット・メセニーを講師に持つ。
マイルス・デイビスのバンドに抜擢されて注目をあび、ジャコ・パストリアス、デイヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカーらと共演した。
マイケル・ブレッカーとはステップス・アヘッドや、ブレッカー・ブラザーズでもともに演奏しており、評論家にも高く評価されている。
ガボール・ザボ
1936年3月8日ハンガリーブダペスト生まれ。
バークリー卒業後、チコ・ハミルトンのバンドで活動し、ダウンビート誌の人気投票で新人ギタリストの1位に選出。
その後、名門レーベルから多くの録音を残し、ジャズだけでなく、ロックやブルース等で活躍するギタリストにも多大な影響を与えた。
1982年に45歳の若さでこの世を去ってしまう。
ジュリアン・ラージ
1987年12月25日アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンタ・ローザ生まれ。
12歳の時にグラミー賞授賞式で演奏しており、「神童」と呼ばれる。
ゲイリー・バートンのバンドに15歳の若さで加入し、20歳でメジャーデビューを果たす。
ジャズを中心に、ブルーグラスやカントリー、インディー・ロックといった幅広い音楽を弾きこなし、今最も注目を集めているジャズ・ギタリストの一人。
スタンリー・ジョーダン
1959年7月31日アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ生まれ。
ギターの指板上で両手の指をタッピングさせる奏法が特徴的。
ビートルズやジミヘンドリックス等の曲をジャズ風にアレンジしたりと独自の両手タッピング奏法を生かしたスタイルでトップギタリストの仲間入りに。
アルバム『Magic Touch』は、ビルボードのジャズチャートで51週間1位を保持した。
ケニー・バレル
1931年7月31日アメリカ合衆国 ミシガン州 デトロイト生まれ。
大学卒業後、1951年にディジー・ガレスピー楽団に入ったり、オスカー・ピーターソン等のジャズ・ジャイアンツと共演し、腕を磨く。
軽妙なスウィング感覚とブルージィなフレーズを中心に、ブルースに根ざしたプレイで活躍。
パット・マルティーノ
1944年8月25日アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 フィラデルフィア生まれ。
コンテンポラリー・ジャズ・ギターのカリスマ的存在として広く知られており、そのほか、ポスト・バップ、フュージョン、メインストリーム・ジャズ、ソウル・ジャズ、ハード・バップなどといったジャンルで幅広く活動している。
60年代中期より活躍するものの、体調の悪化により一時音楽活動を休止し、87年に奇跡的なカムバックを果たしている。
リー・リトナー
1951年1月11日アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
60年代末に数多くのスタジオ・レコーディングに参加し、セッション・ギタリストとしてキャリアを積み上げる。
1977年に発表した『キャプテン・フィンガーズ』の大ヒットを生み、高度なテクニックを駆使した耳馴染みの良いフュージョン・サウンドは、その後のジャズ・フュージョンの一つの大きな流れをかたち作った。
ジャンゴ・ラインハルト
1910年1月23日ベルギー生まれ。
やけどの影響で左手に麻痺が残ったため、メロディを弾く時は主に人差し指と中指で弦を押さえるプレイスタイルが特徴的。
ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィングの創始者として広く知られている。
1992年には、ジャンゴにちなんだ音楽賞である「DjangodOr」がフランスで創設されている。
ジョニー・スミス
1922年6月25日アメリカ合衆国 アラバマ州 バーミンガム生まれ。
1984年には、アラバマ・ジャズの殿堂入りを果たす。
スウィングからビバップからアヴァンギャルド・クラシックなど、多様なジャンルを引きこなし、作曲家としても1954年に「急がば廻れ 」を作曲したことで広く知られている。
チャーリー・クリスチャン
1916年7月29日アメリカ合衆国テキサス州出身。
それまで単にリズムを刻むだけであったギターをメロディ楽器として成立させ、「ジャズ・ギターの開祖」と呼ばれ、ジャズ界に革命を起こしたギタリスト。
ベニー・グッドマンのバンドで世に知られるようになり、ビバップの誕生にも大きな影響を与え、その後のジャズ・ギターの歴史を大きく変えた重要なミュージシャン。
結核により25歳の若さで他界。
ジョージ・ベンソン
1943年3月22日アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。
19歳でプロ・デビュー。
1960年代は純ジャズ・ギタリストとして、ジャズ界で最も注目を浴びる存在になり、70年代以降はシンガーとしてヒット曲を発表したことから、ギター以上にヴォーカリストとしても脚光を浴びる。
独自のスムーズ・ジャズのヴォーカル・スタイルを確立し、ギターでメロディを演奏しながらヴォーカルをオーヴァーダイビングさせてスキャットを歌う奏法が特徴的。
バーニー・ケッセル
1923年10月17日アメリカ合衆国オクラホマ州マスコギー生まれ。
チャーリー・クリスチャンの流れを汲み、流麗なビ・バップフレーズを縦横無尽に弾きこなす一方、豪快なブルースフィーリングと抜群のスウィング感覚、そして安定した実力が特徴的。
和音でギターソロをとる、いわゆるブロック・コードの第一人者としても著名。
ジョン・マクラフリン
1942年1月4日イギリス ドンカスター生まれ。
1969年にマイルス・デイヴィスの『イン・ア・サイレント・ウェイ』への参加で注目を浴びると、リーダーバンドのマハヴィシュヌ・オーケストラを結成し、大きな話題を呼ぶ。
インド音楽をはじめ、フラメンコやクラシックなどさまざまな要素を取り入れた独自のジャズ・ミュージックが特徴的。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第49位、2011年の改訂版では第68位。
タル・ファーロウ
1921年6月7日アメリカ合衆国ノース・カロライナ州 グリーンズボロ生まれ。
圧倒的なテクニックでモダンジャズ界を代表するギタリスト。
巨大な手をいっぱいに広げて縦横無尽にフレーズを紡ぎ出す様は「オクトパス・ハンド」と呼ばれ、ダイナミックな跳躍を用い、それをさらに次々と連続させたロング・フレーズをハイ・スピードで演奏するのが特徴的。
楽譜が全く読めなかったと言われ、コードの知識も怪しかったといわれている。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ギターという楽器は、比較的初心者でも始めやすい楽器ですので、ジャズ・ギターに興味を持った方はぜひ始めてみるのも検討してみてはいかがでしょうか。
もしこれからジャズ・ギターを始めるあなたには、この本がおすすめです。
それでは!
Jazz2.0編集部の濱田でした。