「ジャズってどんな曲があるの?」
「どれから聴いて良いのかわからない。。。」
とはいいつつも、、、
ジャズといえば、お洒落で大人っぽくてかっこいい音楽。
そんなイメージや雰囲気を少しでも味わってみませんんか?
というわけでこんにちは。
Jazz2.0編集部の濱田です。
これからジャズを聴いてみたいという人に先日お会いしたところ、こうした声を聞きました。
というわけで、今回はこれからジャズを聴きたいというそんなあなたに向けて、ジャズの名曲を紹介します。
ジャズの名曲といってもたくさんあるので、自分の好みの曲から聴いていくのがおすすめです。
それでは参りましょう!
そもそもジャズとは
アメリカの歌舞伎的存在
ジャズとは、アメリカのルイジアナ州、ニューオリンズで生まれた音楽です。
ジャズという言葉の由来や、具体的にどのように生まれたのかなど、その背景は現在まではっきりしていません。
しかし、アフリカ系アメリカ人と西洋の文化が融合して生まれたという背景は一つの歴とした事実です。
ニューオリンズという場所は様々な人種が混合する場所で、南北戦争の払い下げによって西洋の楽器が黒人に渡ったことでジャズが発達していったと言われています。
そして、アメリカの歴史と同時にジャズは栄え、今日のポピュラー音楽に大きな影響を与えているということから、アメリカでは日本の歌舞伎のような存在として継承されています。
演奏スタイルの一つ
ジャズとは演奏スタイルの一つとしても捉えることができます。
ジャズとは、演奏が始まるとまず最初にその曲のテーマ(主題)のメロディーを演奏します。
そのあとに、テーマで演奏される和音やビートだけを繰り返し、即興演奏が始まります。
演奏の最後には、またテーマに戻ってメロディーを演奏します。
簡単にいうと
テーマ
⬇︎
アドリブ
⬇︎
テーマ
という構成です。
これがジャズの演奏スタイルの土台です。
また、実際のプロの演奏では和音もビートも少しずつ変化していきます。
というのも、演奏の中でプレイヤー同士が意思疎通を図って、リズムを合わせたり、曲調を変えたりと、その瞬間でしか生み出せない即興性を作り出せるからです。
もちろん、上記の流れではない例外的な構成もあります。
アドリブから始まったり、逆にアドリブを演奏しなかったり、などなど
このように自由性が高いのがジャズの特徴です。
特にジャズの名盤と呼ばれるアルバムでは、ジャズの演奏スタイルの土台を良く知ることができます。
ジャズミュージシャンがロックを演奏してもジャズ
他の音楽ジャンルではあまり見受けられないですが、ジャズという音楽ジャンルで大ヒットを収めたミュージシャンがロックやラテン、クラシックなどの音楽に転向しても、多くのジャズ評論家は、ジャズとその他のジャンルをミックスさせた音楽(クロスオーバー)という解釈で、ジャズの文脈を解説される方が最近増えてきました。
こうしてジャズファンの間でも、ジャズの道を通ってきたミュージシャンが演奏する音楽はジャズであるという解釈する方もいます。
こうしたことから、例えばジャズ・ミュージシャンが演奏する曲が、ヒップホップやR&B、ラテン、サルサ、クラシックといった他の音楽ジャンルでも、ジャズ・ヒップホップやクロスオーバーといった名称で、ジャズ音楽の拡張として捉えるのが、一般的となっています。
そのため、ジャズの音楽的に王道であるスイングしたビートから外れていても、ジャズと呼ばれる音楽が存在します。
また、ポピュラー音楽のアーティストと言えば、ヴォーカルやギターなどの楽器が注目されがちですが、ジャズでは、トランペットやサックスなどの金管楽器から、ピアノ、ベース、ドラムとそれぞれの楽器のメンバーが注目されます。
というのも、メンバー1人が変わることによって、音楽スタイルや即興性に大きな違いが出てくるからです。
例えば、「スィングのみ=ジャズ」と定義されている方もいます。
初めてのジャズにおすすめ名曲
So What
世界中で1000万枚を超えるセールスを記録し、今もなお売れ続けている、世界で一番売れているジャズアルバム『Kind of Blue』に収録されている代表作が「So What」です。
ジャズの帝王と呼ばれるトランペッター、マイルス・デイヴィスの代表作であり、誰もが認める名盤です。
Waltz for Debby
Waltz for Debbyは、ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスによる代表的なアルバムであり、タイトル曲です。
日本で一番売れたジャズ・アルバムと言われており、ヴィレッジ・ヴァンガードにてライブをしていたビル・エヴァンス・トリオの演奏が録音されています。
しかしこの11日後、ビル・エヴァンスの右腕であったベーシスト、スコット・ラファロが他界していまします。
Take Five
「Take Five」は、デイブ・ブルーベックのアルバム『Time Out』に収録されている曲です。
このアルバムは、ジャズのアルバムとして初めてミリオン・セールスを記録しました。
珍しい5拍子であるこの曲は、曲名の由来になっています。
また、このアルバムの名前である『Time Out』とは、『変拍子ジャズ』というコンセプトで作られた作品となっています。
Days of Wine and Roses
「Days of Wine and Roses」は日本で「酒とバラの日々」、略して「酒バラ」と呼ばれています。
1962年に公開された、映画「酒とバラの日々」のテーマ曲で、アカデミー歌曲賞を受賞した映画として知られています。
そんな「酒バラ」は、ジャズのスタンダード・ナンバーとしても有名で、オスカー・ピーターソン・トリオの演奏が代表的です。
My Favorite Things
My Favorite Thingsは、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」に登場する曲として広く知られているだけでなく、ジャズ・スタンダード・ナンバーとしても有名な楽曲です。
モダンジャズの巨人と呼ばれるサックス奏者、ジョン・コルトレーンによる演奏が有名で、ソプラノ・サックスと呼ばれる楽器を用いています。
Moanin’
「タッタ タラリラ タッタ~♪」というピアノの音で始まるこの曲は、「そば屋の出前の兄ちゃんまで口ずさむ」 と言われるほど、大流行しました。
この曲は、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズというバンドによる演奏が大変有名です。
ジャズ・メッセンジャーズの代表作であり、ファンキー・ジャズのブームを巻き起こしました。
Spain
この曲は、世界中のミュージシャンによってカバーされているラテン調のジャズナンバーです。
世界的ピアニスト、チック・コリアの代表作として知られており、アフロ・キューバンのリズムにのってアドリブ演奏が熱く爽快に繰り広げられるスピード感溢れる曲調となっています。
日本のCMや番組でも幅広く取り上げられている楽曲です。
Autumn leaves
キャノンボール・アダレイのリーダー作品となっている『Somethin Else』に収録されている「Autumn Leaves」は「枯葉」という邦題で、多くのミュージシャンにカバーされ親しまれているジャズ・スタンダードです。
契約上の理由で、ブルーノートから作品を発表することができなかったマイルス・ディヴィスの代わりにアダレイがリーダーとして作品を発表しますが、事実上マイルスがリーダーとなってできた作品となってます。
また、「枯葉」は、シャンソンの世界で歌われていた名曲でしたが、マイルスはその「枯葉」をジャズの世界に持ち込んだことで知られています。
Take The A Train
デューク・エリントンのビッグバンドの演奏でレコードが発売され大ヒットした「Take the A train」は「A列車で行こう」という邦題で日本でも大ヒットしました。
曲のタイトルとなっているA列車とは、ニューヨークの地下鉄が由来となっており、「良いジャズを楽しめるハーレムへ行くのに速く着きたいなら、 Aと書かれた急行電車に乗ればいいよ」という意味がこの曲の題名と歌詞に込められています。
Someday My Prince Will Come
ウォルト・ディズニーのアニメ映画『白雪姫』の挿入曲として、広く知られている「Someday My Prince Will Come(邦題:いつか王子様が)」は、デイヴ・ブルーベック、ビル・エヴァンス、そしてマイルス・デイヴィスをはじめとする多くのジャズ・プレイヤーによってカバーされ、ジャズ・スタンダート・ナンバーとなりました。
数多くのプレイヤーがカバーしているため、聴き比べするのも醍醐味の一つです。
Giant Steps
Giant Stepsは、ジョン・コルトレーンが発表したアルバム、タイトル曲です。
ハイテンポで音数が多く、その複雑なコード進行と瞬時に転調する構成は「コルトレーン・チェンジ(ズ)」とよばれ、数多くのミュージシャンの間で話題となり、カバーされました。
『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』にて、103位にランクインしている名盤です。
Sing Sing Sing
「Sing Sing Sing」は、スイング・ジャズの代表曲として、ビッグバンド、吹奏楽など、幅広い間で演奏されています。
もとは、1936年に発表された歌手、トランペット奏者のルイ・プリマによって作られ、ニューオーリンズ・ギャングによって収録された楽曲で、ベニー・グッドマン楽団の演奏は特に有名です。
A Night in Tunisia
A Night in Tunisia(邦題:チュニジアの夜)は、1942年にトランペット奏者のディジー・ガレスピーが、ピアニストのフランク・パパレリとの共作で作曲した楽曲です。
ラテン系のアフロ・キューバン・ジャズと呼ばれる中米リズム、独特なエキゾチックな雰囲気、華やかなメロディーが特徴的なジャズ・スタンダード・ナンバーです。
St. Thomas
この曲はもともと、イングランド・リンカンシャー州に伝わる古い民謡「The Lincolnshire Poacher」という曲です。
ソニー・ロリンズが1956年レコーディングのアルバム『Saxophone Colossus』の中で「St. Thomas」という名前で演奏し、最も広く知られるジャズナンバーの一つに数えられるほど、広く知られるようになりました。
In The Mood
「In the Mood(イン・ザ・ムード)」は、ジョー・ガーランドが作曲したジャズの楽曲です。
1939年にグレン・ミラー楽団の演奏によりヒットしたことでも知られ、グレン・ミラー楽団の代表曲ともなっています。
主にビッグバンドで演奏される曲です。
また、「In the Mood」は直訳すると、「何かが欲しい気分だ、何かをしたい気分だ」という意味になります。
On Green Dolphin Street
ハリウッド美人女優のラナ・ターナ主演1947年のメロドラマ大作『大地は怒る(On Green Dolphin Street)』のテーマ曲で、この映画はアカデミー賞を受賞しています。
マイルス・デイビスがとりあげてからジャズのスタンダード・ナンバーとして、広く知られるようになり、多くのミュージシャンがカバーしているほか、セッションで演奏される曲としても人気を博しています。
Fly Me To The Moon
「Fly Me to the Moon(邦題:私を月に連れて行って)」は、1954年、作詞家・作曲家のバート・ハワードによって作られた楽曲です。
フランク・シナトラがカバーしたものが大ヒットし、多くのミュージシャンにカバーされるようになりました。
というのも、当時、アポロ計画が進んでいたアメリカの時代を象徴するテーマソングのような扱いがヒットにつながったと言われています。
L-O-V-E
ジャズ・ピアニスト、ナット・キング・コールによる大ヒット作品「L-O-V-E」は、1964年に録音され、瞬く間に広く知られるようになったジャズのスタンダードナンバーです。
当時、末期ガンを患っていたコールは、世界中の人々に届くようにと、英語をはじめ、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、日本語の6カ国語のバージョンで録音しました。
しかし、コールはレコーディング直後に入院し、帰らぬ人となってしまいます。
What A Wonderful World
What a Wonderful World(邦題:この素晴らしき世界)は、ルイ・アームストロングの楽曲として知られていますが、ボブ・シールが作詞作曲しました。
ボブは、ベトナム戦争を嘆き、世界が平和になることを願って、この曲を作ったと言います。この曲は、全英チャートで1位を記録し、世界中で大ヒットしました。
Chet Baker
「But Not For Me」は、1930年のミュージカル『Girl Crazy』のために作られた曲で、アイラ・ガーシュウィンとジョージ・ガーシュウィンの兄弟で作られた作品です。
多くのミュージシャンがカバーし、ジャズのスタンダード・ナンバーとして広く知られていますが、中でもチェット・ベイカーの録音は有名です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ジャズをこれから聴く上で、これだけはおすすめしたいジャズの名曲を20曲紹介しました。
もし、この記事がお役に立てたら嬉しいです。
もしジャズを聴く際に、おすすめの音楽アプリをお探しの際にはこちらの記事をご覧ください。
それではまたお会いしましょう!
Jazz2.0編集部の濱田でした。